年末のこの時期、交流懇親会と題して当囃子連の忘年会が毎年開催されます。この行事だけが1年に一度、子ども達とその家族、そして囃子連の役員、指導員が一堂に会して親睦を深め、1年を振り返って活動の様子や会の方針などを伝えることができる貴重な行事になっています。
今年は昨年にも増して、46名が参加してくださいました。町内からも自治会長、神社総代が出席してくださり、過去にない出席者数でした。それだけ囃子連に対して理解・協力してくださる方々が大勢いてくださるのだと、感謝の気持ちでいっぱいです。
今回で12回を迎えるこの行事も、恒例になっている活動記録のDVD上映や、MVP(年度最優秀子供会員)の表彰も定着し、幹事の会計さん、教育部長さん、厚生部長さんたちが料理からゲームの景品に至るまで、趣向を凝らして準備してくれます。本当にありがとうございます。
ここ数年の間に、囃子連を辞めた方もいます。反対に新しく参加してくださった方もいます。これは自然の摂理として受け止めなければなりません。さまざまな事情があり囃子を続けられないこともありますし、新たな期待や思いをもって入会してくれる方もいます。
自然の摂理とは自然界の生態系の法則であり、時には弱肉強食という厳しい現実があります。しかしこの弱肉強食という言葉は誤解されがちで、弱いからといって喰われるとは限りませんし、強いからといって食えるとも限りません。虎は兎より掛け値なしに強いですが、兎は世界中で繁栄し、虎は絶滅の危機に瀕しています。すなわち自然界の掟としては、個体レベルでは「全肉全食」で、種レベルでは「適者生存」です。
種の保存と、郷土芸能の保存も、ある意味、似たようなところがあります。
適者は、今現在の状況、今現在の環境によって変わりますから、種の保存というレベルで考えれば、いろんな考えの団体があったほうが、確率的に後世に繋がっていく気もします。ですから、正しいと思ったことはやってみるに尽きるのではないでしょうか。もちろん、組織ですから1人の意見で判断されるものではなく、知識と見識を持った経験者が、役員という立場で判断するわけですが。
そんな判断で、毎年MVP(年度最優秀子供会員)を1名表彰しています。 本当は、子ども達は、それぞれが、それぞれの状況と環境で頑張っているわけですから、皆にご褒美をあげたいところですが「お囃子は小学校1年生から、上は80歳を超えた大先輩まで所属していて、ある意味小さな社会です。チャンスは平等に与えられるが、結果は必ずしも平等でないのが社会の常」という当会の方針にのっとり、第1回からこの表彰は続けられています。歴代表彰された子ども達は、社会人になってもしっかりとお囃子をつづけていますから、このやりかたが間違っていたわけではなさそうです。
さて、今回栄えあるこの賞に輝いたのは、小学校4年生の幡野優歩さんでした。まだ入会して3年半を過ぎたところですが、彼女の一途にお囃子に向き合う姿勢がとても評価されました。年間の稽古参加率98%(48回中お休み1回)、行事参加率100%(行事回数13回)という高い参加率は、2位に大差をつけ、子供会員の中でダントツでした。もちろん参加率だけではありません。稽古では下級生の面倒をよく見ている姿が指導員の目にもとまっていたようです。全会一致で選出されました。
過去のデータに照らしてみると、小学校4年生でのMVPの受賞は最年少受賞です。さて、彼女が社会人になるまで、お囃子を続けているかどうか、とても楽しみですね。
ってか、こっちが続けていられるかどうか・・なにせ「適者生存」ですから。